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ナットの製造現場見学と製造方法

先日ナット製造業者さんを見学に行きました。
ねじに携わっている人は知っていると思うのですがナットの製造方法は大きく分けて「Aつぶして作る(鍛造)」と「B削って作る(切削)」があります。
先日見学したナット業者さんは後者の切削(B-1に当たる)という製造方法でした。
加工の流れとしては以下のようになっていました。

六角棒材の削りと穴空け→削りかすと製品の分離→(必要に応じめねじ部内側の面取り)→めねじ切り→検査
切削ナットの製造工程


私もこの機会にナットの製造方法を知っておこうと思い調べてみました。
そうしたら鍛造と切削にも種類がありそれぞれ得手不得手があるという事を学びました。
(あくまで私が調べた範囲ですので間違いや例外もあるかもしれません)

簡単にまとめると以下のようになっているようです。

A-1)鍛造-冷間加工 
鍛造の特徴として金型が必要という事があります。切削に比べて金型の大きな初期投資がかかる反面製造速度が速いのも特徴です。
単価が安く特にロットが大きい場合などが向いています。一般的な鉄のナットの製造方法で常温で加工し、熱間加工と温感加工に比べて精度も良いとされています。
ただしあまり大きなナットにはつぶしきれない為、その場合熱間加工や温感加工がよいとされています。
A-2)鍛造-熱間加工 
こちらも金型が必要ですが冷間加工だと加工がしずらい大きなナットを製造する場合、材料に熱を加えて加工しやすくします。大きな六角ナットは大体この加工方法で製造されているようです。
A-3)鍛造-温感加工 
冷間加工と熱間加工の中間にあたる加工方法でやはり金型を使用して加工します。SUS304などを加工する場合などに使用されます。
B-1)切削-自動旋盤(NC以外) 
切削加工の中でもナットを作る為に特化した切削加工で、金型を作るのではなく六角形の棒材を削って製造します。
真鍮など柔らかい材質で製造する事が多く逆に硬い材質で加工される場合はあまりありません。
NC旋盤との大きな違いは六角形に穴を空けナット型に削る工程とめねじを切る工程が分かれている事です。
こちらも大量生産向きですが製造可能な形状が限定されます。
B-2)切削-NC旋盤等の自動機 
こちらは一般的な切削加工で同じく金型を必要としない為、初期費用はかからない事が多くねじを切る工程とナット型に削る工程を同時に行います。
初期費用が発生しない点や複雑な形状が加工できる点が優れていますが、一個あたりの単価が高くなり簡単な形状の場合数十万個を作るような量産向きではありません。

もし社内でナットの製造方法を選定する場合、基本的には以下の加工方法で検討してはいかがでしょうか。
小さいナット大量に使用する場合----冷間加工
大きいナットを大量に使用する場合----熱間加工
熱間と冷間で加工ができない場合-----温感加工
真鍮製のナットを中量~大量に使用する場合----切削-自動旋盤(NC以外)
複雑な形状で小ロットを使用する場合-----切削加工(NC等)

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UFOナットの用途

0120210000222.jpeg

UFOナットというナットをご存知でしょうか。
一般的なナットは当然の事ですがスパナで締結します。
ところが六角レンチが使用できない場合やプラスドライバーを使用したいときはどのようなナットを使えばいいでしょうか。

ネジ業者でも意外と知らない人がいるのですがUFOナットというナットならプラスドライバーで締めることができます。
「ナベ」と「トラス」の二種類がありますがどちらも基本的な用途は一緒です。

ではいったいどんな時にプラスドライバーでナットを締める必要があるのでしょうか?
ひとつはスパナを回転させる隙間がない場合です。
確かに六角ナットを使用している場合でもボックスレンチを使用すれば対処できる場合もあります。
しかし、大型機器の中ならいざしらず小さく狭い場所や作業性を考えれば、
他のねじも締められるプラスドライバーが使えるということは非常に大きな事です。

もうひとつは下から上に向けてナットを締める場合です。
試せば分かると思いますが六角ナットを逆さの体制で締めるのは大変です。
こんなときにはUFOナットならプラスドライバーの上にUFOナットを乗せて下から上にUFOナットを締められます。

設計の皆さんも六角ナットが締めづらいような設計になった時にはこのUFOナットを思い出してみてください。

ネジの頭部を見せたくないとき[鏡止めナット]

鏡止めナット1 鏡止めナット2 鏡止めナット3

建築関連のデザイン(特に屋内)をされている方は一度は「ねじを使わなければならないがねじの頭を見せたくない」という場面に一度は出くわしていると思います。

しかし、ものを締結する時にネジを使うとどうしてもネジの頭部が露出してしまう事がありますが、
ネジは締結するのにどうしても工具を引っ掛ける場所が必要で必ずしもデザイン的に望まれた形をしているとは限りません。

そんな時に使用するのがこの鏡止めナットと呼ばれるナットです。
上の画像は三種類ありますが意外とネジ屋さんでも知らない人が多いみたいです。

しかし私が興味を持ったのはその構造です。
使用方法は簡単で少し見づらいですが写真の右側に穴の開いているワッシャーがありますが、
まずはこのワッシャーに皿小ねじを通して下の部材を締結します。
その後、写真の左側にあるナットを上から止めます。
実はワッシャーの外側にはネジが切られているので手で回しながらはめ込む事ができるのです。
以前このブログでも紹介したロゼットワッシャーの外側にネジが切られているような感じの構造になっています。

これならリベットなど締結するのとは違い好きな時に取り外せます。
会社でインターネット通販も行っているのですが、
一番需要があるのが見た目もすっきりした一番右側のタイプです。

普通に考えれば「頭の形状がおなじネジを作ったほうが安くすむのではないのか」と思われると思います。
確かにその通りで実際に締結には「皿ねじ」「ワッシャー部」「ナット部」の三つに分かれる鏡止めナットに比べて、
三つが合わさった形状のねじを作るほうが数が多ければ安くなります。
しかし、ねじを作るのにも長さの制限があるので少量使用したい際にはなかなか希望の形状がない上、
ねじを締めるときに工具を引っ掛ける場所がありません。

鏡止めナットは皿ねじの長さを好きな長さに変えられるということがある為、
少量からでも購入できるという最大のメリットがあるので個人の日曜大工で看板を綺麗に見せたい人にもお勧めです。

四角ナットと板ナットの違い

四角ナット 板ナット

一般のナットが六角形なのは周知の事とは思いますが世の中には四角形のナットも存在します。
比較的有名な四角形のナットに「四角ナット(写真左)」と「板ナット(写真右)」があります。

四角ナットも板ナットも当然の事ですがねじやボルトと組み合わせて部材を締結する事が目的ですが、
六角ナットには出来ない用途があります。
それは溝に四角ナットや板ナットをはめて使用して回り止めに使用するという用途もあるからです。

普通の六角ナットはボルトと六角ナットを締めたり緩めたりする時はボルト側とナット側の両方を工具で固定しなければならず両手がふさがれます。
四角ナットと板ナットを溝にはめておけばボルト側だけを締めれば良くなります。

写真を見ると呼び径が違うので見た目も多少違うと思うのですが、実際には何が違うのかという疑問を持った人もいると思います。

まず一番大きな違いは厚みが違うということです。
M4の場合で比べても板ナットは1.8mmに対して四角ナットは3.2mmと2倍弱もあります。
用途の違いもこの厚みで使い分けるのがよいと思います。

ではなぜ名称が違うので巣しょうか。
それは四角ナットは普通の六角ナットが基準になっているからです。
事実M4の六角ナットはM3.2と四角ナットと同じ厚みです。

それに対して板ナットは「四角い板にメネジが欲しい」という用途から生まれたからだと思われ、
板の厚さが基準になっています。
その為名称も「板」ナットになっていると思われます。

名前の由来の違いはあるのですが厚み等の寸法の違いで選んでよいと思います。

ハードロックナットとねじの緩み止め

ハードロックナット

今やテレビ番組等でも紹介されるくらい有名になったハードロックナットですが、
色々な所で使用され始めているらしく、
YAHOOニュースでスケートシューズにも使用されているみたいです。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100208-00000007-san-spo

ねじやナット類のゆるみ止めはネジ屋にとって永遠の課題と言っても過言ではないと思います。
代表的なゆるみ止めと言えば「スプリングワッシャー」「ネジロック」「ダブルナット」で、
知られている緩み止めの方法だけでも100種類以上あるのではないでしょうか。

ハードロックナットの緩み止めの機構は「ネジ部にクサビを打つ」というもので
新幹線のような断続的に振動が加わる部分でも使用されているそうです。

ではなぜ緩み止めが永遠の課題なのでしょうか。
その答えは二つあります
(他にもあるとは思いますがここでは私の主観も入っていますのでご注意ください)。

1つはコストです
どんなに優秀な緩み止めの方法でも必ず生産工程かネジの加工工程で1手間余計に入ります。
製造業の宿命ともいえるコストを上げてしまいどうしても普通のネジの方が安くなるので
機能性とコストの両立ができない為です。

2つ目は「ねじ類ははずす必要もある」という事です。
これも相反する問題ですがねじは「緩んではいけないのですが外れないと困る」という部品だからです
(そうでないと場合もありますが)。
この「はずせる」と「外れては困る」という二つのある意味矛盾した目的があり、
「必要なときにだけ外せる」という究極の難問です。

もちろんこれらのを課題を完全にハードロックナットはクリアしているわけではありません。
必要な時に緩みそれ以外の時に絶対に緩まない安いねじやナットが開発されたとすれば
私は青色LEDにも匹敵する発明と言っても過言ではないと思います。
プロフィール

takaaki

Author:takaaki
ねじ・ナット・ボルト・ワッシャーに関するブログを書いています。
通りすがりの方でもかまいませんのでぜひコメント頂ければうれしいです。

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